六甲ウィメンズハウスとは
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六甲ウィメンズハウス
六甲ウィメンズハウスの運営に関わる「ウィメンズネット・こうべ」は、さまざまな困難に直面する女性やその子どもたちの支援を長年にわたって行ってきました。
特に地域で孤立しがちなシングルマザーの居場所づくりに力を入れてきました。
2019年には居住支援法人の資格を取り、保証人がいない、所持金が少ない、子連れであるなど、さまざまな理由から住宅取得が困難な女性を対象に家探しを手伝い、その後の心の回復や経済的自立へのサポートなども行っています。
安心安全な住まいを得ることは、精神的な安定、その後の就学・就労に繋がります。
しかしながら、団体が支援している女性やシングルマザーの中には、保証人がいない、低収入や所持金が少ない、子連れであることを理由に、狭くて古く日当たりも悪い「ここにしか住めないのか」とため息がでるような物件を紹介されるケースも少なくありません。
女性をとりまくそのような日本の住宅状況に直面する中、代表の正井は、2010年に居住福祉を考える研究者とともに訪問したデンマークで、女性とこどものための家を見学しました。
外観は古い建物ですが、内部はデザイナーズマンションのように美しく、広いリビング、プレイルームやカウンセリングルーム、キッチン、家具に至るまで、すべてがほんとうに素敵な空間でした。
困難を抱える女性たちが「ここにしか住めない」ではなく、「ここに住みたい」と思える住まいを作りたい。
六甲ウィメンズハウスは、その思いから始まりました。
帰国してから、「夢のウィメンズハウスをつくろう!」と、阪神間の企業に向けて「休眠施設があれば、私たちに提供してもらえませんか」というチラシをいろいろなところで配布しました。
そのようなことを始めてから10年が経ったころ、以前から食料支援を通して繋がりのあった「協同組合コープこうべ」さんから、旧女子寮を使いませんか?というお話がありました。
その後、外国人留学生や学生も、特にコロナ禍以降は生活に困窮しているという現状があり、さまざまな背景を持つ女性たちが共に暮らす「相互扶助のコミュニティ」をつくろうと、「公益財団法人神戸学生青年センター」と共同で本事業を行うことになりました。
本プロジェクトは、より良い社会や仕組みづくりに向けて、大きな社会的インパクトが期待できる革新的な事業です。
開設後の持続的な運営のためにも、私たちの活動にご賛同いただける皆様からの温かいご支援をお待ちしております。
多様な世代・生活環境の女性たちが、居住空間をシェアする生活の中で生まれる様々な問題を解決していくことで、世の中に新たな互助居住モデルの提示ができます。
今回「六甲ウィメンズハウス」となる建物は、地元企業である生活協同組合コープこうべで昔、女子寮として使われていた施設です。
低額所得者、高齢者、子どもを育てている方など、住宅の確保に配慮を要する方々への住宅提供は、全国的に難しい状況があります。
その中で、今回の六甲ウィメンズハウスのように既存の休眠施設を活用することは、民間事業者による空きビル・旧社員寮などの新たなストック・リソース活用モデル、市営住宅等のリノベーションモデルとなるほか、企業におけるCSRの取り組みの選択肢・可能性を広げることにもつながります。この事業が困難を抱える女性や子どもへの支援に繋がるという実績を示すことで、社会貢献に繋がる建物の提供や改修・リノベーションがすすむモデル事業にしたいと考えています。
特にシングルマザーへの優良な住居提供は、女性の社会的自立の促進に留まらず、子どもたちの健やかな成長に大きく影響します。こうした公益性のある活動は他に見られないので、次世代を健全に育むという意味でも大切にしていきたい事業です。
認定NPO法人女性と子ども支援センター
ウィメンズネット・こうべ 代表理事
正井禮子
私はこれまで30年、DV被害女性の相談からその後の生活再建まで、いわゆる伴走型支援を行ってきました。特に女性にとって、住まいの確保は難しく、保証人がいない、低収入、しかも子連れとなると、狭い、暗い、住環境が悪い等の家を紹介されることも少なくありません。
女性たちが「ここにしか住めない」ではなくて、「ここに住みたい」と思える家をつくろうと思ってから10年が過ぎ、ようやく夢の実現に近づいております。日本のシングルマザーは半分以上が貧困状態にあります。貧困+孤立+子育ては児童虐待のハイリスクです。六甲ウィメンズハウスは、安心して暮らせる住まいの提供だけでなく、支援スタッフが常駐し、孤立を防ぎ、その後の心のケアや子育て・生活相談、経済的自立への支援等も行います。NPOと企業が連携し、ジェンダーの視点もある社会貢献の建物をつくる取り組みは日本ではまだ少なく、モデル事業として全国各地に広がっていくことを願っています。